南方前池遺跡

南方前池遺跡の概要
ふりがな みなみがたまえいけいせき
所在地 赤磐市南方
時代 縄文時代
調査年 1955年
調査主体 近藤義郎ほか
参考文献 「岡山県史」 第十八巻考古資料 1986年 岡山県史編纂委員会
「岡山県の考古学」 1987年 吉川弘文館
「南方前池遺跡」 1995年 岡山県山陽町教育委員会

概要

 遺跡は灌漑用水の溜池の底に保存されており、1957年には県史跡に指定されています。調査では遺跡の下層で、縄文時代晩期の貯蔵穴10基が発見されました。貯蔵穴は直径約1メートルの円形で、深さ70~130センチメートルの大きさです。穴の上部は植物を用いて覆い、粘土で密封した状態が見られました。
 穴の下側には、イチイガシやトチのドングリが大量に収められていましたが、湧き水が潤していたのでたいへん残りのよい状態で検出されました。これらは、縄文時代の食物貯蔵の方法が明らかになった好例といえます。
 また、ここから出土した縄文時代晩期の土器は「前池式」と呼ばれ、考古学研究で重要な資料となっています。

南方前池遺跡の石柱と看板

現在の南方前池遺跡の状況

「前池式」深鉢の写真

縄文時代晩期の「前池式」深鉢

容器に入っている出土したドングリ(トチ)の写真

出土したドングリ(トチ)

更新日:2018年03月01日