便木山遺跡・便木山方形台状墓

便木山遺跡・便木山方形台状墓の概要
ふりがな びんぎやまいせき・びんぎやまほうけいだいじょうぼ
所在地 赤磐市山陽
時代 弥生時代
調査年 1970~1971年
調査主体 山陽町教育委員会
参考文献 「便木山遺跡発掘調査報告」 1971年 山陽団地埋蔵文化財発掘調査団
「四辻土壙墓遺跡・四辻古墳群」 1973年 山陽団地埋蔵文化財発掘調査団
「岡山県史」第十八巻考古資料 1986年 岡山県史編纂委員会
「岡山県の考古学」 1987年 吉川弘文館

概要

 遺跡は標高約50メートルの丘陵尾根の鞍部で見つかった弥生時代後期の墓地です。調査では土壙墓41基、土器棺墓6基、溝4ヶ所が発見されました。土壙墓は4ヶ所の溝で方形に区画された内側から作られ始め、次第に外側に広がりました。
 土壙墓は、4~10基程度でまとまりのある合計7グループの土壙墓群に分けられます。これらは、家族単位で行われていた埋葬の状況を示しているとされます。溝からは葬儀に用いられた特殊器台や特殊壺が発見され、注目されます。
 この遺跡の北側では、9.0メートル×6.8メートル、高さ1.2メートルの方形台状墓と、その北側の尾根上にある2基の土壙墓で構成される便木山方形台状墓が確認されました。時期は弥生時代後期末で、そのうちの1基からは、鉄鏃や玉類が出土しました。

特殊器台:弥生時代後期末に岡山県を中心に用いられた葬送用の器台。縦長の胴部には、透し穴や弧帯文という文様が装飾され、赤色顔料が塗られる。埴輪の起源に結びつくものとされる。
特殊壺:特殊器台の上に置かれる葬送用の大形の壺。底に穴が開いているものもある。
方形台状墓:尾根上を方形に削り出した台状の墳墓。上面に土壙墓が作られる。 
鉄鏃:鉄製のやじり。

土壙墓・土器棺墓の写真

区画溝内から見つかった土壙墓・土器棺墓

区画溝の遺物出土状況を上空から見た写真

区画溝の遺物出土状況

方形台状墓の検出状況の全体写真

方形台状墓の検出状況

更新日:2018年03月01日