用木古墳群

7 用木古墳群(ようぎこふんぐん)

用木古墳群の概要
ふりがな ようぎこふんぐん
所在地 赤磐市山陽
時代 古墳時代
調査年 1969~1974年
調査主体 山陽町教育委員会
参考文献 「用木古墳群」 1975年 岡山県山陽町教育委員会
「岡山県史」第十八巻考古資料 1986年 岡山県史編纂委員会
「岡山県の考古学」 1987年 吉川弘文館

概要

 丘陵尾根上に16基見つかった古墳時代前期の古墳群です。このうち1号~4号・6号墳は、この地域の有力者が埋葬された中心となる古墳とされます。1号墳は、直径30メートル、高さ4メートルの葺石をもつ円墳です。墳丘の中央で内面に赤色顔料を塗っている長さ4.7メートル、幅76センチメートルの割竹形木棺が発見され、尚方作獣帯鏡・銅鏃・鉄剣・直刀・鉄斧・やりがんなが出土しました。
 2号墳は直径20メートル、高さ1.2メートルの円墳であり、木棺墓からは方格規矩鏡が発見されました。また、墳丘の周辺では土壙墓8基と土器棺墓1基が検出され、内行花文鏡やガラス小玉が見つかりました。3号墳は全長42メートル、高さ約5メートルの葺石をもつ前方後円墳です。墳丘の中央で長さ4.7メートル、幅50センチメートルの木棺を納めた粘土槨が発見され、画文帯四獣鏡・鉄斧・やりがんなが出土しました。

葺石:古墳などの盛り土の上を覆うために敷きつめられた石材。
割竹形木棺:竹を縦に二つに割ったような形状で、中をくり抜いて作った木棺。
尚方作獣帯鏡:銘帯には「尚方作竟真大巧 上有仙人不知老 渇飲玉泉飢食棗兮」の文字が見える。鈕(ちゅう)の周りには、龍・孔雀・虎と鹿と思われる4種類の獣が2匹づつ走る描写が見られる。禽獣(きんじゅう)画像鏡とも呼ばれる。
やりがんな:反った槍先のような刃に柄を付けたかんな。突くようにして木材を削る。
方格規矩鏡:中央の鈕を方形の区画が囲み、その外側にT・L・V字形の文様をもった銅鏡。
内行花文鏡:円弧形を内側に連ねた文様をもった銅鏡。
粘土槨:割竹形木棺などを粘土で厚く覆った埋葬施設。
画文帯四獣鏡:鈕の周りには、右回りに走る獣4頭と正面を向く獣4頭の描写が見られる。走る獣の体にも顔表現が認められるとする説がある。

埋葬施設を縦ながに写した様子

1号墳で見つかった埋葬施設

埋葬施設を縦ながに写した様子

3号墳で見つかった埋葬施設

更新日:2018年03月01日