史跡両宮山古墳墳丘裾保存整備工事

水をたたえた内濠

両宮山古墳空撮

水をたたえた内濠に映える墳丘

両宮山古墳は、長さ206mの墳丘に内外二重の周濠を備えています。外濠は現在水田の地下に埋まっていますが、内濠は農業用ため池として満々に水をたたえ、この古墳独特の美しい景観を生み出しています。

一方で、水をたたえた内濠は墳丘裾を崩落させ、その浸食は徐々に進行しています。このような墳丘裾の崩落・浸食という現象は、水濠をもつ近畿地方の大古墳でも同様に発生しています。

なお、中堤側斜面でも生じていた浸食・崩落については、平成18・19年度に割栗石で覆う工法で保存工事を実施したところです。

墳丘裾の浸食

現在の内濠はため池の水量を増すために、後世に堤を高くした結果、水面が上がり、墳丘第1段(下段)斜面を流出させています。

両宮山古墳の浸食状況

墳丘裾の浸食状況

両宮山古墳自然崩落模式図

ため池の波浪による墳丘裾の浸食模式図

墳丘裾保存整備工事の概要

両宮山古墳ふとんかご工法

フトンかごによる護岸(水をためる前の状態)

墳丘裾の保護対策を検討するため、平成25~27年度にかけて墳丘第1段の確認調査を行いました。墳丘の第1段斜面は大きく流失しているものの、水面下の堆積層より下位には墳端へ向かう墳丘斜面が残っていることが判明しました。

そこで、墳丘を掘削せず、墳丘裾の損壊がこれ以上進まないような工法を検討し、フトンかごによる護岸を行うことにしました。捨石の上に異形フトンかごを2段積み、内濠からの波浪を防ぎます。両宮山古墳からは葺石が見つかっていないのですが、堅固な護岸とするため、石材を使用しています。県内唯一の水濠をもつ古墳の景観を維持し、貴重な歴史遺産を次世代へ引き継ぐために大切な工事です。

この墳丘裾保存整備工事は、平成29年度からに着手し、現在5ヵ年が終了しています。

 

整備の範囲
年度 整備位置
平成29 後円部西側
平成30 造り出し
令和元 前方部西側面
令和2 前方部前面西半
令和3 前方部前面東半

 

墳丘の整備状況

墳丘の整備状況(令和4年5月撮影)

更新日:2022年05月13日