正崎2号墳出土品が県指定文化財に指定されました
指定された出土品の一部
平成25年3月1日、正崎2号墳出土品が岡山県指定文化財に指定されましたのでご報告します。
正崎2号墳出土品は山陽郷土資料館で保管・展示しておりますので、ぜひ一度、新しく指定された県指定文化財を見に来てください。
また、正崎2号墳の文化財調査報告書は赤磐市山陽郷土資料館で好評発売中です。関心をお持ちの方はぜひご覧ください。
(部数に限りがありますので、完売の際はご容赦ください。)
正崎2号墳ってどんな古墳?
修復された甲冑
正崎2号墳は、赤磐市正崎浦山の丘陵上に築かれた古墳群の一つです。
今から約1500年前にあたる古墳時代中期のお墓で、約20メートル×16メートルの円形で高さ約2.5メートルの古墳です。
昭和62年、現在の山陽ふれあい公園が建てられる際に発掘調査が行われました。
幸いなことに古墳は荒らされておらず、武具、馬具のほか、装飾品である玉類、鏡、土器などの副葬品が埋葬された時のままの姿で発見されました。
埋葬施設は鎹(かすがい)を使用する特殊な形態だったようです。
どんな出土品が指定されたの??
県内で唯一の出土品である三環鈴(さんかんれい)
3つの鈴を環で繋いだ青銅製品です。馬具の一つかもしれません。
特に注目される甲冑一式
冑(かぶと)と短甲(たんこう)、頸甲(あかべよろい)、肩甲(かたよろい)の一式がそろっています。
特に肩甲は特異な帯板と小さな札を併用したつくりになっており、ヨロイが長方形や三角形のプレートをつないで作っていた短甲から、小さな札をつないで作る挂甲へと移行する過渡期を示す重要な資料です。
青銅製の鏡
4個の乳で区画され、3体の神仙と車馬像が描かれています。
このほか、武具・馬具、玉類、土器など、きわめて優れた副葬品が納められており、古墳時代中期後葉における地域の首長層の活動を示す資料が一つの埋葬主体の中から発見されたという点で注目されます。これは古墳の研究において重要な位置を占める貴重な資料であると評価され、県指定文化財に指定されました。
文化財マップの正崎2号墳出土品のページもご覧ください。
更新日:2018年03月01日