移住者インタビュー 久延 将大さん・フミカさん

更新日:2021年09月24日

映像とデザインで地域の役に立ちたい。

久延夫妻

プロフィール

移住の時期:2019年5月

出身地:将大さん/岡山県岡山市・フミカさん/高知県四万十市

現住所:岡山県赤磐市是里

職業:将大さん/Web映像制作( ヒラガナ企画代表)・フミカさん/デザイナー(きくデザイン制作室代表)

家族:夫婦+ふじ子(猫)

移住の経緯

・移住までの経緯についてお聞かせください。

将大さん/妻フミカとは多摩美術大学同期。卒業後はそれぞれ岡山県と三重県で仕事をしていましたが、友人の呼びかけで再会したことがきっかけで交際が始まり、結婚を決意しました。婚約の報告も兼ねて墓参りに訪れた是里(これさと)を、妻がひと目で気に入り、移住を決意しました。知人の紹介で、二人が住むにはちょうどいい住まいが見つかり、令和元年5月に移住しました。

久延邸

両端がそれぞれの仕事部屋、中央が居住スペース、お二人にはちょうどいいサイズ感に思えるお住まい

・是里のどこに惹かれたのですか。

フミカさん/初めて是里を訪れた時「山の上にもかかわらず、開けた風景、広い空、広い土地」が印象的で感動しました。私が過去住んだところでは見られなかった風景でした。既に起業していた私は夫と共に、この地で仕事をしながら心豊かに暮らしていく決意をしました。

是里の風景

家の前に広がる山々と広い空、部屋に居ながら季節の変化を楽しめる。

仕事のこと

将大さんの仕事について聞かせてください。

将大さん/写真・動画・VR・Webなどの制作を行う「ヒラガナ企画」を経営しています。特にホームページ制作はSEO(検索エンジン最適化)・MEO(地図エンジン最適化)を意識した戦略のもと、クライアントの集客に直結するWeb制作を提供しています。これから起業・創業を計画している個人や企業にとって、頼りがいのある存在になることを目指しております。

フミカさんの仕事について聞かせてください。

フミカさん/Web、リーフレット、ポスター、ロゴ、パッケージ、名刺、動画、写真、VRなどのデザイン、制作を総合的に承る「きくデザイン制作室」を経営しています。夫との連携により、幅広い情報ツールの企画、作成も可能であり、起動力・小回り・柔軟性・無限大の想像力を活かして、クライアントのお役に立ちたいと考えています。特に起業を総合的に支援する仕事の経験も豊富で、気軽に相談してもらえる存在を目指しています。

久延将大さん

猫の手を借りて(笑)仕事する将大さん

久延フミカさん

将大さんの部屋とは対極にある部屋で仕事をするフミカさん

将来の目標について、お聞かせください。

フミカさん/小さい声を堂々とした形で発信する仕事をしたいと思っています。大学を卒業してから、馬路村、スリランカ、南伊勢、そして是里と、気がつけば渡り鳥のように辺境を巡る人生を歩んできましたが、各地で「いいなぁ」と感じる風景はどれも人知れず営まれる日常の中にありました。自分が感動した出来事が情報になって、世の中に出ていく、その情報を受け取った人々から思いもよらない反応が返ってくる、自分のささやかな企みが幸せな形で化学反応していく、そんな形で地域と関わっていけたらと思います。

将大さん/例えば最近のことですと、お隣さんのつくるブドウがびっくりする程おいしいのですが、見栄えが悪く売り物にならなかったシャインマスカットでレーズンもつくってて、食べたらまたそのおいしさに驚いたんです。ただ、商品の売り先を問うと、年に一度のイベントがコロナで中止になったから「ない」と。

フミカさん/その話を聞いている最中から、私の頭の中では物語がパーっと出来あがって、もう実行せずにはいられない状態になっていました。頼まれてもいないのに笑

将大さん・フミカさん/物語を整えてデザインに落とし込み、写真をきちんと撮影して、キャッチコピーをつけインターネットで販売してみたところ、約100袋完売しました!何よりも嬉しかったのは、買った人々がみんな素晴らしい感想を寄せてくれ、味はもちろん、生産者の物語をリスペクトしてくれたことです。生産者さんも商品の完売にはもちろんビックリしてくれたのですが、それ以上に皆さんからの感想を大変喜んでくれました。ブドウづくりをますますがんばるモチベーションにもつながったようです。それが一番嬉しかったですね。

将大さん・フミカさん/こういうことの積み重ねで、地域を、身の回りを、じわじわとおもしろくしていきたいという気持ちです。せっかく是里に暮らしているので、できるだけ近い場所で、滋味深さを発見し、共感してもらえるような仕掛けを企て続けたいと思っています。

 

レーズンパッケージ

将大さん・フミカさん/シャインマスカット・レーズンのパッケージをデザイン。ブドウ農家さんが飼っているヤギ(ちび)もシャインマスカットが好きだったのでそこから着想した。

ブドウパッケージ

将大さん・フミカさん/県外の知人にブドウを送るとき、シルクスクリーンで手刷りした箱に入れて贈る。これがとっても喜ばれる。産地、農家、それぞれのドラマがあるのに、同じ既製品の箱ではそれが伝わらず、もったいないと思ったから。

現在の生活について

現在の環境・生活に満足していますか?

将大さん/フミカさん:たまの夫婦喧嘩以外は(笑)まったくストレスを感じない生活に満足しています。周囲にはブドウ畑や里山が広がり、真夏でも里山や草原から爽やかな風が吹き、日中でもエアコンはほとんど使いません。夜は虫の声以外の音は聞こえず、本当に静かです。広い空には満天の星が瞬き、天の川も見えます。豊かな自然に囲まれた生活ですが、車で7~10分の周匝(すさい)まで行くと、スーパー・銀行・ドラッグストア・コンビニなどほとんどの店舗があり、まったく不便は感じません。野菜はご近所さんからいただくことも多く、水は近くの水源に汲みに行くので買ったことはありません。冬場も、私たちが移住してからはほとんど雪も降らず、念のため装着しているスタッドレスタイヤのお世話になることもありませんでした。冬のある朝起きてみると、下界が一面雲海に覆われていて、とても感動したことを覚えています。毎日、季節のうつろいを感じながら生活しています。

ご近所とのお付き合いはいかがですか・

将大さん/ご近所といっても、お隣さん以外は離れていて、普段は会う機会が少ないこともあって、「近からずも、遠からず」ほどよい距離感で接していただいています。ただ年中行事のお花見や清掃・草刈には積極的に参加し、交流を図っています。妻は移住する前に、「お花見」に出席させてもらってから、地域のことがより好きになったみたいです。

将来移住を検討している皆さんに「ひとこと」

将大さん・フミカさん/移住後の生活に求めるものは、人それぞれと思います。都会での生活と比較して物質的には足りないものがあると感じる人がいるかもわかりませんが、私たちはそれに勝る「大自然の豊かさ」を感じられる暮らしを手に入れることができました。2人とも今の生活に大変満足しています。

取材年月:2021年8月

この記事に関するお問い合わせ先

総合政策部 政策推進課 地域創生班


〒709-0898 岡山県赤磐市下市344
電話:086-955-1220  ファックス:086-955-1261

開庁時間:月曜日から金曜日 午前8時30分から午後5時15分 祝日・年末年始は閉庁

メールフォームからのお問い合わせ