得意を持ち寄りできたこと~地域の大人と子ども達の交流~

更新日:2023年11月13日

おひさま

赤磐市赤坂地域にある放課後等デイサービス「おひさま赤坂事業所」の子ども達に、カブトムシの飼育や絵画、備前焼の器づくり、木材・廃材を利用した工作をボランティアで教えている近隣在住のシニアの方々がおられます。

おひさま赤坂事業所は放課後等デイサービスを提供している施設です。

「子ども達のために」とこの場所に集まるシニアの方々に、どうしてボランティアをしようと思ったのか、そのきっかけなどをお聞きしました。

こうしてシニアボランティアが誕生しました!

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おひさま赤坂事業所外観

「放課後等デイサービス」とは学習障害、多動、自閉症などの発達障害と診断された子ども達の支援を行う事業です。医師により発達障害と診断された6歳から18歳までの子どもが利用することができます。

 

おひさま赤坂事業所の代表の山本さんは、自身のお嬢さんに障害があり、少しでも障害を持つ親御さんの力になりたいとの思いで6年前おひさま赤坂事業所を設立されました。

保育士であるスタッフのみなさんは、そんな山本さんの想いに賛同して集まった方々で、子ども達の成長に何が必要かを考えました。

そして「いろんな経験を楽しめる場になれば子ども達の将来にも役立つ経験ができるのでは? 私達だけでなく地域の人にもお手伝いをしてもらいたい」と知人に声を掛けたのが、シニアボランティアのはじまりでした。

得意を活かした子ども達とのふれあいの数々を紹介します

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土の中には大きなカブトムシの幼虫がいっぱい

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幼虫のふんでいっぱいになった土を取り替えます

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■大きい幼虫に育てるとより大きなカブトムシに!

カブトムシ先生と呼ばれるシニアボランティアのYさんは、孫のためにと10年ほど前にカブトムシの飼育を始めたそうです。いまでは大きなカブトムシをたくさん育てることができるようになり、「子どもたちに喜んでもらいたい」と無償で提供するようになりました。

おひさま赤坂事業所では幼虫からのエサやりや土の取り換えなど、飼育の仕方を指導してもらい、大きなカブトムシになるまで観察することができました。

子ども達はカブトムシの飼育で生命の神秘や命の大切さを学ぶことができたのではないでしょうか。また来年が楽しみですね。

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■世界にただ一つの作品

備前焼と絵画は和気町にお住まいのシニアボランティアのご夫婦による指導です。備前焼はご主人の指導で、コーヒーカップやお皿などの作り方を教えています。釉薬(ゆうやく)を使いませんが窯変(ようへん)といわれる模様が現れます。できあがった作品はご主人の窯でじっくり焼き上げられ、子ども達それぞれの世界にただ一つだけの個性溢れる焼き物となります。さてどんな備前焼ができあがるでしょうか。窯出しの日が待ち遠しいですね。

 

絵画は美術教員の経験を持つ奥様が「子ども達が何かに打ち込むきっかけになれば」と始められたそうです。筆だけでなく綿棒を使った表現やちぎり絵なども指導しています。題材について、「ヒントは出しますが子ども達に自由な発想で描かせます。作品ができあがったら、まず褒めます。これが大事。」と話されていました。

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■自分で作ったおもちゃで遊ぶ

Yさんは、今年は凧(たこ)作りから始まり、タケコプターならぬ紙コプター、飛行機のペーパークラフト、木製のティッシュケース、ゴム動力のプロペラカーなどを子ども達と一緒に作りました。金槌を使った釘打ちや、画用紙を切ったりグルーガンを使ったりと難しい作業もありましたが、みんな真剣に最後までがんばって完成させたそうです。できあがると敷地内にある運動場で遊びます。

うまくはさみが使えなかったり、途中で飽きてきたりと子ども達それぞれの特性がありますが、どうやったら完成できるか材料や工程を考えるのも楽しいそうです。

さまざまな体験が子ども達を成長させる!

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金槌を使った木工体験

保育士であるスタッフのみなさんは「植物や昆虫を育てたりモノづくりをしたりすることは運動、感覚、認知やコミュニケーション等の生活能力を向上させるための支援に大変役立っています。障害を持つ子ども達はとかく孤立しがち。しかし、地域の方々が自ら得意分野を生かした活動の場を提供してくれたおかげで、子ども達と社会とのつながりができる。同時に子ども達がコミュニケーションの楽しさを感じることができる。」と話されていました。

スタッフのお話からは子ども達一人ひとりと真剣に向き合う姿勢が感じられました。また「以前はできなかったけど今年はこれができるようになった」と子どもの成長を実感できるのが嬉しいと話されているのが印象的でした。

 

シニアのみなさんは自分たちの得意分野を活かせる上、子ども達とのふれあいや真剣に取り組む姿が見られること、子ども達が喜んでくれることが楽しいそうです。

そして今では、自ら協力を申し出てさまざまな体験を提供してくださっています。みなさんどうやったら自分の好きなことを子ども達に伝えられるか一生懸命に考えて臨まれています。子ども達はみんな真剣にそんなシニアのみなさんの話を聞き、取り組むそうです。

まとめ

おひさま赤坂事業所で子ども達に教えているシニアのみなさんはすべてボランティアです。だからこそ気負いなく気軽に子ども達と向き合うことができ、一様に教えることが楽しいとおっしゃっていました。いろんな大人が得意を持ち寄って、スタッフだけでは困難な分野に関わっていくことで子ども達はいろんな経験ができ、成長につながる……「地域の子ども達のために」シニアボランティアのこの取り組みの輪がますます広がりを見せています。

【ライター紹介】

kan

赤磐市在住。赤磐市のクラウドソーシングセミナーを受講したのがきっかけでライティングを始めました。文章を書くのは難しいですが、うまい表現ができたなと思える時もあり楽しいです。

趣味はモノづくり、最近はCNCルーターも使っています。レーザー彫刻や3Dプリンターも挑戦しようと思っています。

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