さまざまな体験を通して成長できる「山陽子どもアイランド」とは?
子育て世帯の家族が地域の人とふれあいながら、火おこしやどじょうのつかみ取りなど、普段なかなかできない体験をする―。赤磐市の山陽団地には、そんな貴重な居場所があります。週末や長期休暇に子どもたちのために開かれる教室、その名は山陽子どもアイランド。「放課後・週末等子ども教室(※注1)」のひとつで、地域住民有志がボランティアで運営しています。
山陽西小学校の児童数は現在168名。毎年募集される活動メンバーに、今年は30名の申し込みがありました。全校児童の20%が参加している活動を取材しました。
※注1「放課後・週末等子ども教室」……公共施設や小学校の余裕教室等を活用した、子どもたちの安全・安心な居場所。地域との交流活動等の取り組みで、勉強やスポーツ・文化活動など教室ごとの特色がある。子どもたちが地域社会の中で心豊かで健やかに育まれるよう、地域住民有志によるボランティアで行われている。赤磐市内では6地区で実施している。
密着レポート!「山陽子どもアイランド」の活動とは?
チョコクリームを塗った棒パンに舌鼓。
2024年6月1日土曜日。この日のテーマは、「デイキャンプをしよう」でした。子どもたちは、ボランティアさんと一緒にカレーの材料を切ったり、火起こしを体験したりと大活躍。10時のおやつは、山陽子どもアイランドのソウルフード、「棒パン」です。長年アイランドに通っている棒パン経験者は、慣れた手つきで生地を棒に巻きつけていきます。はじめて参加する子には、そんな先輩たちがやさしく教えていました。どじょうのつかみ取りやめだかすくいを楽しんだあとは、お待ちかねの特製カレー!盛りだくさんな内容でした。
中学生ボランティアさんに直撃インタビュー!
ボランティアさんがパン生地を丸めて休ませます。
どじょうのつかみ取り。学生ボランティアがタイマーで時間をはかります。
活動に参加した児童の中には、卒業後、自身がボランティアスタッフとして参加する子もいます。そんなスタッフのひとりが今年の春、中学生になったばかりのKさんです。小学1年生から6年間、山陽子どもアイランドに通い続けたKさん親子にお話をうかがいました。
―中学生となった今年度は、卒業生ボランティアとして参加されているのですね?
Kさん:はい。小学生として参加していたときよりも、学生ボランティアとしての責任があると思うので、地域のボランティアさんのお手伝いができるように、これから頑張っていきたいです。
―おふたりにとっての山陽子どもアイランドの思い出は?
Kさん:いろいろな行事を通して、普段の生活ではあまり関わりがない他の学年や地域のボランティアさん、保護者の皆さんと一緒に話したり、遊んだりできたことです。
Kさんのお母さん:活動に参加したことで、人と人とのつながりや、相手を思いやる気持ちが生まれたと思います。地域の方々が一緒に子育てをしてくれるのは、山陽団地ならではだと思っています。
―おふたりによると、子どもと一緒にボランティアとして、活動に参加する保護者もおられるとか。地域の方とのふれあいをご家族で楽しんでいらっしゃるのですね。地域や仲間とのつながりができるのはもちろん、「自分がしてもらったことは同じように人にしてあげたい」という気持ちを自然と育むことができる、すばらしい活動だと感じました。
山陽子どもアイランドのこと、もっと知りたい!
内田代表
地域の方に教えてもらいながら包丁で野菜を切る子どもたち。
山陽子どもアイランドの活動を10年以上続けている、内田代表にお話をうかがいました。
内田代表:平成25年度、「地域で子育てを!」を合言葉に、役員5名、補助ボランティア4名で活動を始めました。地域の子ども支援の活動が認められ、3年目の平成27年に文部科学大臣表彰を受けました。今年度は役員8名が、学生、保護者、地域のボランティアと一緒に運営しています。
―「山陽子どもアイランド」、名前の由来は?
内田代表:山陽団地を「ふるさと」と思ってもらえるよう、地域を「愛」する子どもを育てたい、自分のことも「愛」してほしいという意味を込めています。「ランド」は、楽しい居場所、子どもの王国をさします。山陽団地から巣立った子どもたちがいつでも帰って来られるように、われわれ大人が団地を守りたい、という気持ちで活動しています。
―時代の流れで子どもが少なくなっても変わらないこと、時代に応じて変えていることがあれば、教えてください。
内田代表:子どもを安全に楽しく遊ばせること、子どもを飽きさせない工夫をすること、この2つは発足当初から変わっていません。地域とのつながりを作ることも大切にしています。グランドゴルフやドミノ大会など、地域のお年寄りが子どもに指導することで交流が生まれ、活性化につながればと思っています。変わってきたことといえば、毎年参加してくれる子どもが飽きないよう、子ども達や保護者の方の感想や意見を取り入れて、行く場所や活動内容に変化を持たせていることですね。
―山陽団地には、子育てを助けてくれる心強い味方がたくさんいますね。
内田代表:兄姉の活動を見た弟妹は、小学校に上がったら自分も通えることを楽しみにします。卒業生は、いつか親となって、また地域の住民としてサポートする側になるかもしれません。長く活動を続けていくことで、良い循環が生まれてほしいです。
まとめ
家や学校ではできない体験をしたり、地域のさまざまな世代と交流したりできる、山陽子どもアイランドの活動を取材しました。今年で12年目を迎えた、地域の皆さんによるすばらしい活動―。そこには、子育て期の家族に「地域の人が寄り添ってくれる」姿がありました。
【ライター紹介】
ありちゃんママ
赤磐市主催クラウドソーシング初級セミナー6期生。岡山市出身で、赤磐市民歴は13年目、2児の母です。その日の夕食をSNSに投稿するのが日課です。
- この記事に関するお問い合わせ先
-
総合政策部 政策推進課 地域創生班
〒709-0898 岡山県赤磐市下市344
電話:086-955-1220 ファックス:086-955-1261開庁時間:月曜日から金曜日 午前8時30分から午後5時15分 祝日・年末年始は閉庁
更新日:2024年09月24日