任期満了から10か月!地域おこし協力隊が残してくれたもの

関西のIT企業に長年勤めていた戸田さんは、令和2年8月に、赤磐市の地域おこし協力隊へ転身し、令和6年7月に任期満了を迎えました。
「フルーツに関わる仕事がしたい」という思いを抱いて赤磐市に来た戸田さんは、赤磐市の観光振興のため、コロナ禍を乗り越え、活動を続けてきました。
4年間の多岐にわたる戸田さんの活動の中で、新商品開発に注目し、彼女が赤磐市で見つけた「もの」、そして「今」「これから」を探ってみました。
生産者さんもびっくり!戸田さんの新商品開発の着眼点は斬新だった!

「フルーツでその土地を元気にしたい!」という思いを抱いて赤磐市に地域おこし協力隊としてやって来た戸田さん。フルーツといっても、食材としてフルーツを加工することは誰でも考えること。
当時から戸田さんはサステナビリティ、アップサイクル(注1)に注目しました。一歩進んだ発想で、規格外で廃棄されているフルーツに、価値を持たせて販売していくことを考えていたのです。
戸田さんは赤磐市に居を構え、桃やぶどうの生産者と積極的にふれあっていく中、生産者さんのフルーツへの思いを肌で感じるようになります。「生産者さんは、子どものように大切に育てたフルーツが、規格外というだけで廃棄されていくことに、心を痛めている!」そんな生産者さんの心痛は、戸田さんの原動力となりました。
戸田さんは、自分のやりたいことを積極的に発信し、アンテナを張り、たくさんの仲間を作っていきます。そして4年の間に、廃棄されるはずだったフルーツを使い、2つのアップサイクルプロダクト「除菌ウェットティッシュ」「チャリポケ」を完成させました。
この2つは、赤磐市内外から一躍注目され、現在も販売継続中です。
1つ目の開発商品「除菌ウェットティッシュ」は令和3年9月に完成しました。販売が始まった頃、ある赤磐市民から赤磐商工会に「新商品はどこで買えるのか?」という問い合わせがありました。仲間同士で「赤磐で生まれた商品なら、みんなで使ってみようよ!」「問い合わせてみようか」と話題になったそうです。
廃棄されるフルーツに新しい命を吹き込んだ戸田さん!赤磐市の生産者さんは、その発想力に元気をもらったことでしょう。
(注1)廃棄予定だったものに、手を加えて新たな価値を生み出すこと。
新商品開発を成し遂げることで、大学生に希望を!


2つ目の開発商品「チャリポケ」は令和5年秋に完成しました。商品の開発には岡山理科大学の学生も関わりました。
岡山理科大学のあるゼミが、備前地域の活性化というテーマで、アイデアを発表。ゼミの学生たちは、赤磐市にサイクリングルートがあることに注目し、「サイクリスト向けに廃棄フルーツを使い、塩ドライフルーツを作ったらどうか?」というアイデアを持っていました。戸田さんが商品開発の際に大切にしていたアップサイクルという考えを学生たちも持っていたのです。
当時、コロナ禍の最中でもあり、また学生の皆さんの卒論制作とも重なり、思うように事が進まない時期もありましたが、諦めることなく、戸田さんとの商品開発は続きました。
学生のひとり、高橋くんに話を聞くことができました。
「ゼミでアイデアを出した段階では、まさか商品になるとは思っていなかったです。商品開発に関わらせていただき、販売までこぎつけられたことがとても嬉しいです!普通に生活していたらできない素晴らしい経験ができ、戸田さんに感謝しています!」
戸田さんとともに「チャリポケ」を作り上げた学生の皆さんは、自分たちのアイデアを商品化できた喜びを胸に、社会人となり、新しいフィールドで活躍しています。
商品開発から広がっていった地域の輪

フルーツのアート/KOCHAN ART(とんぼ邸 赤坂)
「チャリポケ」のパッケージには、フルーツのポップで元気なイラストが使われています。これは、赤坂地域の「【とんぼ邸】こうちゃんのアトリエ」で創作活動を行うアーティスト、宇田光志さんの作品です。そしてパッケージデザインを手がけたのは、吉井地域にあるデザイン事務所「ヒラガナ企画合同会社」。いずれも赤磐市で活躍中の方々です。
戸田さんの商品開発は、「環境にやさしい、SDGs」「地域の魅力づくり」などの目的がありました。加えて、新商品の販売が始まり「地元の人たちの共感の輪が広がる」という、さらなる効果があったのです。
まとめ

苦楽を共にした市の職員と
戸田さんは、4年間の活動の中で、フルーツの新たな可能性を引き出す2つの商品を完成させました。そして、その商品は赤磐市の生産者の方々、社会に羽ばたく大学生、赤磐市民を元気にしてくれました。戸田さんは、新商品開発により、赤磐市をたくさん「元気」にしてくれたのですね!
人とのつながりを大切に活動されてきたからこその功績です。
戸田さんは赤磐市に拠点を置き、会社を立ち上げ、赤磐市の観光促進や地域発展のために活動を続けています!
【ライター紹介】
noetomo
岡山市生まれ。社会人となってから岡山県外へ。30年後、故郷岡山に戻ったあと、縁あって赤磐市在勤となります。
赤磐市主催のクラウドソーシング初級講座を受講し、感謝の気持ちを大切に、ライター活動をスタートさせました。
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更新日:2025年05月27日