安心安全な食べものが赤磐市で味わえる、有機栽培が導いてくれた場所

更新日:2022年03月25日

オーガニックレストラングレイスマスター

閑静な住宅街の一角にある、知る人ぞ知るオーガニックレストラン グレイス。

太陽の光が降りそそぐたくさんの窓と、柔らかな薄黄色の外壁がトレードマークのレストランは、2002年に赤磐市桜が丘東にオープンしました。赤磐市に移住してレストランを開いた槇本さんにお話をうかがいました。

赤磐市でオーガニックレストラン、農家シェフのはじまり

グレイス外観

ー以前は大阪の結婚式場でレストランを営業していた槇本さん。息子さんの病気がきっかけで、マクロビオティック(注1)料理について学ばれたあと、有機農産物の共同購入の事業をされていたそうですね。なぜ赤磐市に移住を決められたのでしょうか?

当時いた結婚式場の新館建設に伴い、レストランを退去することに……。心機一転、有機農業をしながらレストランができる場所を探すことにしたのです。

そんなときに目に留まったのが新聞の広告。赤磐市ネオポリスのことが掲載されており、桜が丘東1丁目の大池の写真が魅力的でした。実際に訪れてみると景色が想像以上によかったです。そして桜が丘から車で数分の場所にある赤磐市弥上(やがみ)で、自分の田畑を耕すことができると思ったので移住を決断しました。

注1 マクロビオティックとは・・・穀物や野菜などを中心に日本の伝統食を基本とした食事を摂りながら、人間と自然が調和した健康的な食生活を実現する考え方。

有機農業のように、時間をかけて伝えていきたい

グレイス内装

ー大阪から赤磐市に移住してレストランをオープンすることに不安はありましたか?

「なるようになる。」という気持ちでしたが、全く知らない土地でレストランを経営するのは商売として成り立つのか不安でした。

当時は今のようにオーガニックに関心を抱く人は少なかったですし、地元農家さんからは「よそものだから」と、少し風当たりが強く感じる部分はありました……。

地元や農家の人たちから信頼を得るまでには相当の年月がかかるのは覚悟していましたし、私もファイトがあるほうだから誰がなんと言おうと、やってやろうと決めていました。

交流した先で出逢いの枝が分かれて輪が広がる

グレイスメニュー

-おだやかな口調の中に、こうと決めたら真っすぐ突き進む芯の強さが感じられました。地域の方との交流はどのようにして築かれたのですか?

 

町内会長をはじめ役員などを約7年間続けたり、借りている圃場(ほじょう)の一角で、地域の子どもたちと一緒にさつまいもの苗を植えて収穫をするイベントを行ったりしています。

そうしていくうちに、地域の方々との交流が深まりました。またオーガニックレストランなので畑が無農薬なのはもちろん、化学肥料不使用栽培にするために堆肥は厨房で出る生ゴミにもみ殻、ウッドチップなどを混ぜて発酵させています。このウッドチップは、処分するはずの樹木の剪定枝をシルバー人材の方が分けてくださったものです。

そのおかげで堆肥は毎年カブトムシの繁殖場となり、よりいい循環が生まれています。

「住めば都」と言いますが、「都」づくりは自分で進んでするべきだと思いますね。

交流した先で出会いの枝が分かれて輪が広がる……。自分の足で道を開拓して、周囲の人に受け入れられていくことが大切だと感じました。

 

-出会いの枝が分かれて輪が広がる……。有機農業で生産者と消費者の信頼関係に重きを置く槇本さんだからこそ出るすてきな言葉ですね。これから赤磐市でどんなことをしてみたいですか?

現在、赤磐市可真下(かましも)に住んでいる農家さんにいろいろな栽培方法を学ばせてもらっているのですが、家庭菜園でも有機栽培にシフトする人たちが増えたらいいなと思います。

それから健康長寿食について勉強したいです。赤磐市で育てた食材を使ってバランスの取れた料理を提供し、健康になったという方が増えてくれると嬉しいですね。

最後に・・・

後日、グレイスのランチをいただきました。

レストランでは珍しく靴を脱ぐスタイルで筆者は思わず「お邪魔します」と言ってしまったほど、どこか落ち着く空間のレストランでした。

槇本さんの手によって丹念に育てられた野菜は素材の持ち味が素晴らしく、特に印象的だったのは温野菜に添えられていた菊芋のチップス。甘味のある菊芋に適度な塩加減がたまらなく、シンプルな調理方法故に感動は大きかったです。これからも赤磐市で、食と人を繋いでいくグレイスさんの今後が楽しみです。

ライター紹介

enco

出産を機に故郷である赤磐市に移住。

歯科助手をしながら、好きなときに好きな場所でクラウドソーシングをしています。

何気ない日常に“ちょっとだけ”彩りを添えるように、働きながら自分のしたいことも実現できる新しい働き方を実践中!

この記事に関するお問い合わせ先

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