「この山里を残したい」みんなの想いがかたちになった夢百笑

明るく元気な東川さんと穏やかで落ち着いた歳森さん
仁堀地区で夢百笑を拠点に活動されている赤磐市の集落支援員(※)東川さんと夢百笑の会長の歳森さんに、過疎化の進む地域を支える活動についてお聞きしました。
「地元の人のために」と、高齢者の生活と見守りのために、移動販売車の事業を中心に地元の方の生活と交流の場をJA跡地に作りました。これが、NPO法人夢百笑です。
夢百笑は、歳森さんと地域の有志の方によって立ち上げられました。その姿や強い想いに共感した東川さんは、お手伝いから始められました。集落への熱い思いが、支援員の道に進むきっかけとなり、仁堀地区を支える活動されています。
今では地元の方だけではなく、近隣の市からも地元の野菜や卸している農産物を買いに来られる方もいるほどになりました。
夢百笑を立ち上げて10年。そこには苦悩と変わらぬ信念がありました。
※集落支援員とは
集落点検の実施や集落のあり方に関する住民同士・住民と自治体との話し合いなど集落対策に従事する人(岡山県HPより引用)
大好評の移動販売車と地元の恵み

移動販売車

地元のお母さんたちの手作り弁当
東川さんは、移動販売車に乗って、地域内にいる高齢で一人暮らしの方たちのところを中心に、週2日(火・木)、注文を頂いた商品を届けに行きます。約40件のお宅が週1回、販売車が来るのを楽しみにされています。電話で追加注文が入れば、平日であれば、その都度配達するそうです。
また、週5で「配食サービス」のお弁当の配達もされています。お弁当は、高齢者はもちろん、地元の人たちに大好評。日に60個ほど売れるそうです。これを作っているのが、地元のお母さんたち。家庭の味は、いつの時代も年代問わず愛されています。
そして、赤磐市内では、ここでしか買えないどんぐり農園のもみじたまごの販売や月1回の手作り豆腐と、地元の恵みがたくさん。
深刻な問題と新たなる挑戦への一歩
地元の高齢者をはじめとして多くの人たちの「暮らし」を支えるかたわら、働き方など課題は山積み。一番の課題は、スタッフの高齢化です。
人手を増やしたいものの、体制や人件費など、新しいことへチャレンジするタイミングがむずかしいと感じています。
一方で、田舎の古民家に移住したいという若い世代が少しずつ増えてきました。ここ数年で3家族が移住して来られたそうです。国籍問わず、「ここで暮らしたい」と思えるのは、助け合える人がいるから。そして、子どもたちの笑顔に逢えるからだと感じました。
地域としての受け入れは、100%ウェルカム。最近古民家を購入し、カフェをOPENされた方は、地元の食材を使い、地消地産で料理を提供しています。
また、新しい事業を開拓しようと、東川さんは、はやりのジビエを上手く取り入れられないかと思案中。若い人たちと共に過ごせる田舎を目指して奮闘中です。
「このままでは集落がなくなる」という危機感と、「次の世代に残したい田舎(じもと)」という熱い思い。少しずつ、動き始めようとしています。
未来を担う宝!仁美小学校の子どもたちと笑顔

ここ仁美小学校は、仁堀地区の「仁」と布都美地区の「美」をとり、「仁美(じんび)」といわれるそうです。在校生わずか30名ほどの小さな学校ですが、在校生はのどかな自然の中で地域の人に見守られ、伸び伸びと、毎日学んでいます。
そんな仁美小の行事のひとつに、地元の農家さんとの農業体験があります。仁美小ならではの行事です。キャベツ・じゃがいも・ブロッコリーなど季節の野菜を植え、そして収穫。今では農家ではない方のほとんどが経験したことのない、田植え・稲刈りも一緒に行います。教科書には載っていない自然の学びに、教える大人も仁美小の子どもたちも楽しそうな笑顔や貴重な経験になり、食育活動にもつながっています。また、稲刈りの後に出来た藁を使った、御飾りづくり。昔から伝わる伝統を守り伝えたいと思う気持ちが、子どもたちの成長に大きく影響していることは間違いないですね。
大人と子どもの関わりは、未来を担う大きな役割があると感じました。これからも続いていくことを願っています。
最後に・・・
実は東川さんは移住者です。以前は都会にいらして、「ゆっくりした暮らしがしたい。」と赤磐市にたどり着いたそうです。そして現在では、仁堀は大切な第二の故郷。決め手は、豊かな自然と広い土地。そして今や、子どもや孫の帰ってくる場所となりました。地元の人たちと触れ合う毎日は、もちろん悩みもありますが、笑顔であふれています。
あなたも自然豊かなこの土地で、スローライフや子育てを楽しんでみませんか?きっと今まで知らなかったことや新たな発見に出会えるはずです。
ライター紹介
emimama
幼少期から住み慣れた、ここ赤磐市。結婚しても「赤磐市に住みたい」と、実家の近くにマイホームを建てました。
男の子を3人を育てながら合間をみて、現在新米ライターとして活動中。
赤磐市クラウドソーシングセミナー6期を終え、これから自分の想い描く子育てと仕事を両立するため奮闘しています。
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総合政策部 政策推進課 地域創生班
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更新日:2022年07月19日