桃農家と山陽サッカークラブの代表田中さん

本業は桃農家の田中さん
6月ごろになると、赤磐の中心部では防蛾灯の幻想的な風景が見られます。特産物の「桃」を守るための灯りです。ここ赤磐市はのどかな田舎町。しかし、スポーツが盛んで、プロから子どもたちまで幅広い世代が、さまざまなスポーツを楽しんでいます。
また、子育て支援をかかげ、「子育てするなら赤磐市」というほど、子育てのしやすい場所です。
今回はそんな赤磐で桃農家を営みながら、30年以上ジュニアサッカーチームを代表として支えてきた田中さんにお話を伺いました。私が、田中さんとの出会いで気づいた「サッカーを通して子どもと親がともに成長できる環境とは何か」をお伝えさせていただきます。
サッカーが教えてくれたこと

試合では、仲間のために頑張る選手たち
田中さんが山陽サッカークラブ(以降“SSC”とする)にであったのは、約30年前。息子がサッカーを始めたのがきっかけだそうです。それまでご本人は野球人生一本。自由奔放、子育てよりも我が道だったそうです。そんな田中さんが、サッカーのコーチになろうと思ったのは、人と人をつないでくれる、サッカーの姿勢を体感してからだとのこと。サッカーの理念に何より衝撃を受け、ご自身が受けてきた指導とは全く違い、その「褒める」ということに素晴らしいと感動したそうです。
SSCをはじめ、サッカーの理念には「その日頑張った子どものプレイを褒める、ダメ出しはしない。」とあります。田中さんが代表になってからも、そのことをとても大切にしています。
ジュニア世代は、子どもにとって重要な時期。SSCは、とにかく子どもたち一人ひとりをみて、常に褒めてくれます。もちろん、危ないこと・してはいけないことに対しては注意します。
子育ての中でも、褒めることを毎日続けることはなかなか難しいですよね。親がつい怒ってしまうようなことも、コーチたちは「個性」として認め、気長に待ってくれます。そういう接し方は、母親の私でもなかなかできません。田中さんをはじめコーチたちは、研修やその都度話し合いで修正をしながら、指導力を向上させているからです。
サッカーを通して子育ての基本に立ち返る



田中さんの畑にてさつまいもの収穫体験

何よりも大切なこと、それは日々の基本的な生活習慣。健康でなければ、サッカーはもちろん、学校にも通えません。特に「挨拶」と「食」は大切にされています。挨拶は、その日の子どもの状態を確認するのに、とっても大切。目を見てコミュニケーションをしっかりと取ります。
スポーツをするなら栄養は大切。好き嫌いなく食べられる子は、体が丈夫なだけでなく粘り強さも身に付き、体力ともに学力にも結び付くと、田中さんは感じています。食の大切さを知ってほしいと、自身の畑に野菜を植え、子ども達と収穫体験をしています。体験を通して食べることに興味を持ってほしいと、ご自身の手間暇は「子どものためなら苦とは思わない」と笑われていました。
農家だからできる田中さんの子育て論です。
親も子もサッカーを通じて、常に楽しく成長しています。
将来田舎のチームが活躍する日を思い描いて

練習は力なり
チームを卒業した選手が練習に来てくれたり、プロや現役選手として活躍したりすることは、とてもうれしいと言われています。また、卒業生がコーチとして指導をしてくれることも。もちろん、サッカーは離れてしまっても、一社会人として活躍する姿を見るとうれしい気持ちになると言われていました。
「田舎のチームが強豪に勝つことを目標にという思いはありますが、たくさんの子どもたちが伸び伸びと楽しくサッカーをプレイしてくれることが、一番の目標です。その中で強豪に勝つことができたなら、これ以上の達成感はないと思います。そのめに、サッカーを好きな子どもが増えるとうれしいです。」と田中さん。
最後に・・・
田中さんの想いは一つ、サッカーを通して一人の「人」を育てること。少子化の今、たくさんのスポーツの中からサッカーを選ぶのは、ほんの一握り。また、SSCに出逢うのもその中の一部分。だからこそ桃農家のかたわら、出会った子どもたちが、未来を担う人になってほしいと、大人も子どもも共に成長できるように一生懸命に奮闘されています。そして、子育てを通じて出会ったサッカーの素晴らしさ。それを、クラブの保護者に伝える田中さんは、子どもからも大人からも愛されています。こんな方に出会えることはとても素晴らしいことです。
そして、サッカーから学ぶ子育ての基本。本当にいろいろなことがひとつにつながっていると感じました。
あなたも子育てをするとき、「どんな場所で」「どんな人と」したいかを考えてみてください。きっと赤磐市の中に、素敵な場所を見つけることができると思います。
ライター紹介
かずママ
赤磐市に住み、35年が過ぎました。令和3年赤磐市クラウドソーシング初級セミナーを受講し、子育てと仕事をしながらライターをしています。子育てをしながら、「どうやったら」自分の理想の働き方ができるかを模索中。市民ライターとして、赤磐市の魅力をたくさんの人に知っていただきたいと思っています。
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更新日:2022年11月08日