笑顔の実で山陽団地を明るく!~「ひかりの実」体験レポート~

更新日:2023年05月10日

ひかりの実

この冬、山陽団地に色とりどりの「ひかりの実」が現れたのを、皆さんはご存知でしょうか?

2023年2月5日の山陽西小学校。道路沿いの樹木に鈴なりに実(みの)ったその実は、寒空の下でも、訪れた人の心をあたたかな光で包み込んでくれるかのようです。近づくと、ひとつひとつにすてきな「笑顔」が描かれています。小学生や地域住民などたくさんの人たちの手で丁寧に描かれたものです。

今回は、この「ひかりの実」と呼ばれるアート制作活動を取材しました。地域が一丸(いちがん)となって取り組んだ一大プロジェクトの全容を、ぜひご覧ください。

「ひかりの実」とは?

ひかりの実2
ボランティア募集チラシ

ひかりの実の活動は、全国各地で笑顔の実を実らせてきました。はじまりは、2011年東日本大震災までさかのぼります。被災した陸前高田の子どもたちに笑顔を取り戻してもらいたいと、アーティストの高橋匡太(たかはしきょうた)さんが考案しました。

ここ赤磐市でも「ひかりの実」の活動については、市の職員さんが10年前から知っていて、その思いに賛同していました。赤磐の特産品である「桃」を思い起こさせる「ひかりの実」。いつかはその光を地域に灯したいと思っていたそうです。

そして、山陽団地の活性化に向けた取り組みとしてようやく実現。小学校の子ども達と、山陽団地の住民とが力を合わせ「ひかりの実プロジェクト」がはじまりました。絵付け作業から解体作業まで「ひかりの実プロジェクト」の内容を、写真とともにお伝えします。

 

【絵付け作業】2023年1月17日(授業参観日)

児童が描いた笑顔の実

クレヨンを使って果実袋に「大切な人の笑顔」を描きました。

果実袋に描かれたメッセージ

裏側にメッセージが書かれている袋も。

果実袋(※注1)への絵付け作業は、山陽西小学校に通う児童は授業で、保護者は授業参観前に行われました。地域の公民館活動や有志のボランティア活動の際にも行われ、計1,000枚の「笑顔の袋」が完成。どんなアート作品になるのか、このときはまだ想像もつきませんでした。

【組み立て作業】2023年2月4日(山陽公民館にて)

組立作業

組み立て作業の様子

LEDライトなど

材料は絵付き果実袋、LEDライト、ボタン電池、フルーツキャップ、針金

同じテーブル内で自己紹介をするところからスタート。作業後、子どもたちは「違う学年に新しいお友達ができた!」と喜んでいました。私たち大人同士も「これは難しいね。」「けっこう集中力が要るね。」などと作業をしながら話をする中で、心の距離が自然と近づきました。

≪作り方≫

1.フルーツキャップ(※注2)をまるめます。

フルーツキャップ

2.LEDライトにボタン電池を取り付けます。

ボタン取付

3.1でまるめたフルーツキャップの中に2(LEDライト+ボタン電池)をセットして、果実袋に丁寧に入れます。

LEDライトセット

4.最後に針金でしっかり留めて完成です。

針金付け

徐々に形が見えてきました!

(※注1)果実袋とは、桃や梨などのくだものを雨風から守るためにかぶせる袋です。

(※注2)フルーツキャップとは、くだものを衝撃や振動から守るクッション性の高いネット状の緩衝(かんしょう)材です。

【取り付け作業】2023年2月5日

取付作業

この日は総勢70名ほどが参加。グループに分かれて作業し、1時間半後には40本の木々に笑顔の実がなりました。

【収穫作業】2023年3月5日午前

収穫作業

1か月間飾られた「ひかりの実」。通常「ひかりの実」は、1か月を迎えるころには、果実袋が劣化して破れているものも多いそうですが、さすがは晴れの国岡山。天候に恵まれたおかげで、破れや傷みの少ないまま収穫の日を迎えることができました。地域住民の連携プレーで、収穫作業はあっという間に終了しました。

【解体作業】2023年3月5日午後(山陽公民館にて)

解体作業

果実袋、フルーツキャップ、LEDライトは来年も使用できるということで、それぞれを解体しました。廃棄するのはボタン電池のみ。再利用法までよく考えられています。

【そして振り返りの会】3月19日(山陽公民館にて)

地域の方々とともにプロジェクトの内容を振り返りました。ここで、参加者アンケートを一部ご紹介します。

・普段関わることのない世代の方と作業をするのはとても楽しかったです。

・異業者交流会のようで世界がひろがりました。

・初対面同士でも、ひかりの実を話題にして盛り上がりました。

・小学生の楽しそうな姿が見られてよかったです。

結婚を機に赤磐に住むことになった私も、この活動のおかげでさまざまな出会いがありました。仲間が増えることで、赤磐市が「わが町」になっていくのを実感できました。「ひかりの実」撤去後は一抹の寂しさがありましたが、市の職員さんによると、来年度以降も継続して行うとのこと。山陽団地の新たな冬の風物詩になりそうですね。

まとめ

計6日間にわたる体験レポート、いかがでしたか。

山陽団地には、古くから住んでいる住民と、その子世帯や、古い家をリノベーションして住んでいる若い住民などがおられます。また最近では、学校の校区が選べる地域もでき、再編成が進んでいます。そのような中でも、今回のような活動に参加することで、新たなつながりができると感じました。また、地域が一体となって取り組むことで、町全体が活性化する手だてのひとつになるというのも体感できました。行政が主催なのも、参加しやすいポイントです。

地域全体で作り上げた「笑顔の実」。来年の冬も、山陽団地の夜を明るく照らしてくれることでしょう。

【ライター紹介】

ありちゃんママ

赤磐市主催クラウドソーシング初級セミナー6期生。岡山市出身で、赤磐市民歴は12年目、2児の母です。家族の健康のために野菜コーディネーター資格を取得し、日々の料理に生かしています。趣味はスマホでの写真撮影とSNS投稿。

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