思いは世代を超えてつなぐ、吉井つちのこ駅伝!

吉井川と山並に挟まれるように広がる旧吉井町は、赤磐市の中でも最も北に位置し、自然豊かな田舎町です。茶臼山の山頂にある吉井城山公園の城型展望台からは、周匝(スサイ)の町並みをゆったりと見下ろせます。
そして待ってました!
3年ぶりに令和5年2月12日に開催された第23回吉井つちのこ駅伝大会。この駅伝は、大人も子どもも一緒に走ります。久々に開催された駅伝がどんな様子だったのかご紹介します。
世代を超えてつながる笑顔、吉井名物「吉井つちのこ駅伝」

コロナで中止されていた、吉井つちのこ駅伝が3年ぶりに開催されました。開催を心待ちにしていた地元の方をはじめ、市内から19組のチームが朝早くから集まりました。大人も子どもも同じコースを5人1組でたすきをつなぐ駅伝。城南小学校をスタート・ゴール地点とし吉井川の堤防を折り返す全長約10キロのコースです。
コロナで中止になってしまう前は、33組160人を超える参加者が競い合っていたそうです。駅伝に参加する子どもの保護者の中にも、「子どもの頃に走った」と言われる方もたくさんいらっしゃいました。
吉井つちのこ駅伝は、吉井城山公園まで走っていたマラソンを駅伝にし、現在のルートに変更し開催したのが始まり。チームの参加条件は、ランナーの中に赤磐市民が1人以上いることだそうです。
つちのこ駅伝、完走後のランナーに直撃インタビュー!

市内のS中サッカー部の部員と顧問チームが優勝!

優勝チーム「S中サッカー部有志」のゴールの瞬間

準優勝チームのゴールの瞬間
さてスタートして数十分後、ゴールの城南小学校に続々とランナーが帰ってきます。沿道で応援する方たちも「がんばれー!あと少し!」と熱が入ります。
完走した人は、はあはあと背中で息をするぐらい、全力でゴールインします。
今回は最初に完走したランナー、二組の方にお話を聞きました。
一般の部で初参加された、赤磐市内のS中学校サッカー部の部員と顧問の若い先生のチームです。以前、参加経験のある保護者の方の誘いで参加されたそうです。
五区を走った中学生にゴール直後にインタビューできました。子どもたちは、息は上がっていても元気いっぱい。第一声「楽しかった!」と余裕の笑顔。さすが若い、日頃から練習をしているだけあります。
イケメン顧問の先生は「選手が思った以上に走れて、いい練習になりました!午後から練習試合に行きます。」と、試合の予定が重なってしまったそうですが、それでも両方に参加しようと思う意気込み。スポーツが盛んな赤磐市の中学校の先生らしい、パワーあふれるコメントでした!
先生と生徒のやり取り……駅伝に試合にと、休日の1日を疲れも感じずに駆け抜ける中学生って青春だなとインタビューをしながら感じました。
「あー悔しい!」
もう一チームは、こちらも初参加で社会人のマラソン仲間チームのラストランナーの消防士、中島さん。第一声から気持ちの伝わる一言です。トレーニングのために毎日15キロメートルも走られているだけあって、「悔しいです。いつもは一人で走るので気持ちは楽ですが、駅伝は仲間がいるので心強い分、責任も大きいです。」とマラソンで走り込んでいる方らしいコメント。
「短い距離は、接戦になると難しい。前に見えたので抜けると思ったが間に合わなかった。」とマラソンと駅伝の違いを痛感されたのだそう。
「赤磐市の中で走る機会があれば、また参加したい!いつも一緒に走っている仲間を地元に呼んで走ることができた。こういう機会がたくさんあったら嬉しい。」と爽やかな笑顔で地元愛を話してくださいました。
「吉井つちのこ駅伝」の由来と赤磐市最北「吉井地域」の魅力

吉井公民館館長の難波さんに吉井つちのこ駅伝のことを教えていただきました。
吉井地域には魅力あふれる場所がたくさんあります。その中の1つがステンドグラスにおしゃれな外観の吉井生涯学習センター。吉井つちのこ駅伝のことをもっと知りたくて、この吉井公民館館長の難波さんと生まれも育ちも吉井地域という奥田さんにお話を伺いました。
そもそも「つちのこ」というネーミングは、この地域で目撃情報があった「つちのこ」に由来します。約23年前、ある神社の近くでつちのこと思われる死骸が発見されたことで大騒ぎになり、瞬く間に全国に広がりました。そこから、さまざまな場所で「つちのこ」をモチーフに町おこしが始まりました。駅伝の名前はその流れにあやかったそうです。
そして吉井つちのこ駅伝を支えているのが、地元の吉井地区のボランティアの方々です。今年は特に、年々増えてきているという移住者も加わり、たくさんの方たちの協力のもと成り立っているとのことでした。
難波さんと奥田さんは二人でうなずきながら、あれはこれはと、つちのこの話で盛り上がりました。つちのこ饅頭やつちのこの彫刻等々。そして、つちのこが目撃された神社は、つちのこ神社と呼ばれるようになりました。今でも「つちのこ」には西暦に合わせた懸賞金がかけられているんですよ、と教えてくださいました。
まとめ
備前三大祭りのおすわ祭りやドイツの森、春には桜が満開の吉井城山公園、展望台。そして、つちのこ。近年は、是里ごぼうが有名で給食にも使われています。また、移住者も多く、カフェや食事処で有名なお店も増えていると聞き、吉井地域は田舎まちだと思っていたので驚きました。
探れば、まだまだ知らない発見がありそうです。移住者に人気というのも気になりました。
吉井つちのこ駅伝で感じた、受け継がれるたすき。赤磐市民、特に地元吉井地域の人なら、走ったことがある人に遭遇する駅伝。自分も走った、子どもも走った、孫もと続いていくことが素敵でした。地域の人たちのつながりや温かさ、世代を超えて大切に受け継がれる駅伝に触れ、改めて吉井地域の魅力を再確認しました。
【ライター紹介】
emimama
赤磐市に住んで35年が過ぎました。私が育った地域で我が子を子育てしながら、赤磐市市民ライターをしています。仕事と子育てとライターを楽しみながら、マイペースに暮らしています。
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更新日:2023年07月04日