地元大好き女子高生たちの本気 キモカワキャラで赤磐市をPR?!
桃栗三年柿八年。
広告作って20年、キャラクター扱って12年!
O橋です。
そんな、キャラクタープロモーションさせたら右にも左にも出るモノなし(自称)の私に、赤磐市から連絡がありまして。
「地元の高校生たちがキャラクターを活用したシティプロモーション企画を考えてくれているから、『おかえりあかいわ』で取材しない?」
高校生がお遊び程度に作った企画を取材?この私が?
どうせ桃かなんかをモチーフにした安易なキャラクターを作って、「市の特産品を紹介します!」とか言ってるんでしょ?そんな単純なことでうまくいくなら誰も苦労はしないんですけど、まあいいでしょう。拝見しようじゃないですか。
現れたのは、瀬戸高校に通う3年生4人組。全員同じ中学の出身ということだ。
キャラクターを使ったプロモーションを考えるようになったのは、学校での課外授業の一環だそう。はいはいそういうのね。
「学校でいくつかテーマは用意されているんですけど、私たちはその中からは選ばず、自分たちでテーマを決めて提案して、「赤磐市のPR」ということで先生に許可をもらいました。」
「用意されているテーマを選べば訪問先などの目処もあるのですが、自分たちで探さないとならなかったのでまずは市役所に相談しました。そうしたら、まずは企画書を作りなさいと教えていただいたので、自分たちが考えていることを書き出して、先生に聞いたり、みんなで相談しながら企画書にまとめました。」
なるほど、手書きだ。
当然ながらめちゃくちゃ荒いけれど、これは思いが伝わりそうだ。字もキレイ。自ら大変な道を選ぶとは、なかなか有望な高校生たちじゃないか。
で?肝心のキャラクターは?桃かな?ぶどうかな?
「『赤磐だから桃』って、ありきたりじゃないですか。」
う、うん。そうだね。
「どうやってPRしようかって考えてた時に、「あかいわし」ってパソコンで打つと「赤鰯」って変換されちゃうっていう話を聞いて、それ面白いじゃん!ってなったんです。だから赤い鰯の「赤鰯くん」を作りました!」
む、それはちょっと面白い。
キャラクターに大切なのはストーリーだ。しかもこれ、いわゆる「自虐プロモーション」って言える、なかなかの高等技術じゃないか。
でも、鰯だよ?可愛くならないよぉ?
「これです。」
これは…。
か、かわいくない!キモチ悪い!いや、かわいいかも?!
こんなにキモチ悪い、いやキモカワイイやつがもし公式キャラになったら…、ちょっと話題になるかも?!うーん、やるじゃないか…。
「先生からはゆるキャラグランプリに出したらいいとか言われたんですけど、着ぐるみとかは難しいしどうしようかなって。中の人も難しいじゃないですか、生脚だし。」
そうだね、やるなら同級生の男の子に入ってもらうのがいいね、足の毛は剃ってもらって。いいセン行くかもしれない。じゃあキャラクターができたとして、どうPRをするの?
「赤磐といえばやっぱり桃なので、桃農家さんのお話を伺ったんです。そうしたら加工品があまりないっていう話があったので、じゃあ加工品を使ったスイーツを考えようということになって、パンケーキとパフェを開発しました。お店とかで出してもらえたらいいかなと思って。それを赤鰯くんが紹介するとか。」
模造紙にまとめて発表しました
「桃はやっぱり馴染みがあって、地元では買うというよりもらうものです。小学生の頃に花粉づけの体験をしたりして、育った桃をもらって食べたりするのは楽しかったなあ。」
PRを考える中で、彼女たちの目に赤磐市はどう映ったのだろう?
「正直何もないとは思うんですけど、だからと言ってこの辺は全然田舎でもないし不便もないです。他の場所にも行ってみたいけど、将来的にはここで暮らす方が安心感があっていいかなって。家族ができたりしたら、こういうところの方が生活しやすいと思います。」
「勝手なイメージですけど、東京とかってなんか人が冷たそうじゃないですか(笑)ぶつかっても謝らないとか。まあこの辺では歩いてて人とぶつかることもないんですけど、例えば公園に行っても、必ずそこにいるおじいちゃんやおばあちゃんと会話することになるんです。そういうふれあいをずっとしてきたので、無くなるのは嫌かなって思います。」
来年は受験を控えていることもあり、キャラクターの行く末にはちょっと不安な4人。
「せっかく作ってここまでやってきたので、なくなっちゃうのは勿体無いと思うんです。実は修学旅行で東京に行った時に、キャラクターといえば!ということでサンリオさんにお邪魔したんです。何か発展があったわけではないんですけど、色々なお話が伺えたし、いちご新聞やキャラクターが入っているオリジナルのミネラルウォーターがもらえました(笑)」
「来年は受験勉強もあってあまり時間が取れないので、後輩に託したりできたらいいなって思うんですけど、考えることややらなきゃならないことがすごく多い企画なので、敬遠されちゃうかもしれないなって。最終的にはパソコンを使って企画書を完成させて発表になるので、そこで次に繋げられるようなものにできればと思います!」
サンリオに持ち込んだの?!心臓強いな。
キャラクターを育てるのも、プロモーションも、とにかく丁寧に続けることが一番大事だし、結局のところは愛と熱意。使い慣れたロジックを振りかざしたり、数字ばかりを追う日々で忘れかけていた大切なことを、彼女たちは思い出させてくれた。
ちょっと盛りました。
いやでも、素直にすごいなと思います。高校生の頃の自分と比べたらもうね…、何もしてこなかったからほとんど何も覚えてませんけど。
こういうところに出てくるのだから、きっと彼女たちはとびきり優秀なのでしょう。真面目さと自主性と行動力に溢れた、素晴らしい人材だと思います。将来はみんな教育関連の分野に進みたいということで、大変だと思うけれど是非がんばっていただきたい。
こういう人材がこれからの赤磐を支えて行くのなら、明るい未来しかないでしょう。
その後彼女たちは、瀬戸高等学校で開催された研究成果発表会で、代表として全校生徒の前で「赤鰯くん」を披露。
3月には、赤磐市長、副市長、教育長にもその研究成果を報告したとの知らせが。
すご。
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